歴史のことば劇場52
「レーニンは、資本主義を崩壊させる最善の方法は通貨価値を下落させることと断言した」といいます。
「インフレが長引けば、政府は誰にも気づかれず国民の財産の大部分を没収できる」
「レーニンは確かに正しかった…既成の社会基盤を覆すのに通貨価値を下落させるほど確実な方法はない」
「(統制による)偽りの通貨価値が維持されても、最終的な経済衰退の種が潜んでいる」…
昨今も、いかに多くの貨幣が利用可能になろうと、企業に投資を強要はできず、
現代の戦争も、景気後退への傾向をまったく解消しないことも明瞭になったようですが、
クラウゼヴィッツは「本来、戦争とその結果は絶対的なものではない…一国が敗北しても、それを一時的な災厄と見て、戦後の政治的な情勢を利用し、挽回することができる」
「戦争とは他の手段をもってする政治の実行である」と述べました。
つまり、戦争はいかなる場合も政治の手段にすぎず、政治の上位に位置してはならない。
また「政治的事項の一切を軍の最高指揮官の権力下に置く」とともに、敵の抵抗の能力と意思を粉砕し、全面降伏を追求すると考えた。
「軍隊は戦争の必要から作り出された『機械』だったが、その機械が今や戦争を生みだした」(J.シュンペーター)
また元来マルクスは、「イギリスの旧体制を破壊し、プロレタリアを権力の座につかせるのは世界戦争だけ」と述べていた(S.ナサー)。
G・ケナンによれば、
核兵器が出現したことで、総力戦の「自殺的」な遂行は不可能になった。我々はタレイランのいう「諸国民は、平和時には、互いに最大の善を、戦争には、可能な限り最小の悪をなすべし」との思想に回帰すべきだ。
ギボンは「18世紀の西欧諸国が、控え目な、決定的でない戦闘で訓練された事実」をあげていた。
それゆえ「軍事力による強制の策略も、将来は、政治的目的の追求には絶対的でなく、ただ相対的な価値しかないことを人は知らねばならない」……
このケナンの言う「抑止的」な戦争観に、戦後の自由主義陣営はいち早く「回帰」したものの、